片目が見えないイリゼの光

  心の話

出来立てローズマリーのミニリースを興味津々にのぞき込むイリゼ

うちの家族の犬たち、猫たちは、みんなそれぞれ事情があった子たちです。

犬と猫

そしてこの写真、イリゼは今年の新入り。⇒この犬とのご縁

子犬を産ませては売るというブリーダーから犬を引き取っては、里親さんに手渡すというボランティア団体の中でボランティアをさせて頂き、このイリゼと出逢いました。このボランティア団体は、小型犬を中心に里親募集をしているので比較的すぐに里親さんは見つかります。そんな中、片目が見えないことでなかなか引き取り手が見つからなかったイリゼでしたが、何度かボランティアで会う度に、イリゼのぬくもりの中に、何かご縁を感じ、家族に迎えました。

イリゼという名前は、「虹色の輝きや光彩を与える」という意味があり、これから色とりどりの世界を見てほしいと願って、一緒にボランティアに参加していた娘が名付けました。

それまで何年もゲージの中で過ごしてきたイリゼは、我が家での生活ひとつひとつが、新しい出来事だったのだと思います。ゲージの中での生活を強いられていたので足が悪いとのことでしたが、狭い我が家ですが、自由に歩き過ごしているうちにかなり足も丈夫になりました。

家の中の15センチほどの段差も下りれず、その前でぐるぐる回り立ち往生していましたが、主人の手作りの段ボールのスロープを、今では自慢げにタッタカと駆け下ります(笑)。

イリゼには、いつも一緒に行動するマロン(犬)も、喧嘩仲間のイヴ(猫)も出来ました。

そんなイリゼの毎日少しずつたくましく成長する姿は、私にとって心温まる日常の出来事であり、イリゼが私に伝えてくれるものは大きく、感謝に堪えません。

全ての生命には光と影があるといいます。イリゼの見えない方の目や、「ゲージの中で、子を産まされていた」という過去は影。今、イリゼの光の方は、だんだんと大きな光となって、私たち家族を温めてくれています。イリゼが幸せそうに自分のお気に入りのクッションで眠っている時、そっとイリゼの頭をなぜながら、人は溢れる愛情を他者に注ぐことが一番幸せなのだなぁと痛感します。

光と影の法則。表は、全く関係ないかのようにみえて、実は繋がっている。世の中は全て、陰と陽。

あの日、ゲージから救い出したのは、私自身だったのかもしれません。

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