運転中、いつもだったら聞き流すはずのラジオ。
でもその日のJ-waveから流れていたのは、何となく、心に残るお話でした。
志村季世恵さん。バースセラピストという、人の生と死に寄り添うお仕事をしていらっしゃる方です。季世恵さんの案内する声に惹かれて、行ってきました。
新宿NEWoManで、開催中の「DAIALOGUE IN SILENCE 静けさの中の対話」へ。
12人ごとのグループ。ヘッドセットで音を遮断した中、90分の音のない世界での対話を体験するのです。
聴覚障害者のアテンダント。90分間、会話禁止だということで、どんなにもどかしい思いをするのかなと思っていました。
しかし、1998年にドイツで開催されてから、世界で100万人が体験したというだけあって、目からウロコの初体験、すばらしいプログラムでした。
これを体験した人はそれぞれの想いを深くすると思いますが、
私は、「聞こえない、話せない」の中、心配に反し、「あまりにも苦労せず、対話が出来た。」という印象でした。
終わった後、「私、話してた?話してなかった?」とちょっと混乱するくらいでした。
その理由は、わかりました。それは、
「自分は伝えたいと思い、相手は理解したいと思ったから」です。
気の世界では、人の気持ち、その場の空気、大気から伝わるもの、それらがとても大切。
だから、ここでも、人と人も、その対話は、言葉を使わなくても、「理解したい」と思い合えば、伝わるのです。人が言葉を使えないことはとても不便で辛いことでも、理解したいと思う心がお互いにあれば、言葉を発せない、聞き取れない、ということは乗り越えられるのでしょう。
実際、この12人グループでご一緒した中に、
聴覚障害をお持ちのカップルがいらしたのですが、ヘッドセットを取り外してみるまで、その方たちが聴覚障害者だとは気づかず、むしろ、「笑顔の絶えない、表情の豊かな幸せそうなお二人だな。」という印象でした。
障害を乗り越えるために、その方たちの表情は豊かになり、言語をうまく聞いたり発したり出来にくい分、相手を理解するために人の気持ちを察し心が豊かになられたのではないでしょうか。
多分、この方たちは幸せの秘訣もご存知なのだと思います。
風のにおい、心地よさ、お二人で共有出来る世界は、私たちなどよりずっと豊かなのだと思います。
やはり、心地よさは、その人の持つ、その人の発する、「気」にほかならない。
「DAIALOGUE IN SILENCE静けさの中の対話」で体験して得たことは、
ここでは、書ききれない体験でした。お勧めです。